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【明日方舟】アークナイツ part1619

730 :名無しですよ、名無し!:2021/07/26(月) 17:10:40.68 ID:OFXwU8hLp.net
その日岩手はようやく行われることになったアークナイツのオフ会に参加し
その余韻を噛み締めつつ宿泊場所に向かおうと歩いていた。

「岩手さんですね?」
突然自分の名前を呼ばれ、岩手は恐る恐る振り向いた。
そこには生放送で見るよく知った顔……横山の姿があった。

「すみません、突然声をおかけして」
にこやかな表情で近づいて話しかけてくる横山の前で岩手の頭は混乱していた。
だが、耳元で囁かれた横山の言葉に岩手の体は硬直した。
「……実は私、5chのスレを見てるんですよ」

体が動かない……得体のしれない恐怖心に支配された岩手に横山は苦笑しながらなおも言葉を紡ぐ。
「そんなに怯えないでください、あなたの『作品』はとても面白いので好きなんですよ。
まぁ、複雑な気分ではありますけどね。ほら、私はこれでも妻子持ちですから。でも……」

悪感情を持たれているわけではない?
横山の物腰の柔らかさに岩手の体の緊張が解れていく。
しかし直後、再び岩手の身体はまるでスズランの廟然たる狐火を受けたように金縛りにあった。
(なぜ知っているんですか?)

雑踏に掻き消されそうな大きさだったがはっきりと、確かに聞こえた。
知らない……自分はあくまでネタとしてアレを書いただけだ。
あくまで自分が作った妄想に過ぎず……待て……
そこまで考えて岩手はまた慄然とする。
(なぜリアルの自分のことを知っているんだ?)

「なぜ自分のことを知っているのか?と思っていらっしゃるんですか?
簡単なことです、プロパイダへの開示請求……聞いたことがあるでしょう?」
まさか……岩手の顔がみるみるうちに青くなる。
「安心してください、あなたを法的にどうこうするつもりはありません。
ただ我々の実名を使った以上、あなたを特定することは比較的簡単だったと申し上げておきましょう」
種明かしをする横山を見ながら岩手は彼の目的が一体何なのか未だ掴めずにいた。

「今日はこちらに泊まられるのでしょう?
でしたら我が家にあなたを招待して作品についての感想を語り合いたい。それだけですよ」
家ということなら横山の妻子がいるはず、それならさほど危険はないだろう。
安堵した岩手の耳元に横山が再び近づいて囁く。
「今日は妻と子供はお泊りでいないんです。男同士遠慮なく語り合いましょう?」

自分に選択肢は存在しない……理解してしまった岩手は力なく頷き、横山に肩を組まれて雑踏の中に消えていった。

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