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【明日方舟】アークナイツ part1890

13 :名無しですよ、名無し!:2021/10/27(水) 18:07:31.02 ID:ozqgf/DJ0.net
「赤ちゃんの作り方を教えて欲しいのれす」
「…………」
最強の狩人は今、たった一人のひ弱な女の子を前に硬直していた。
サルヴィエントに到着して××時間後のことである。
幾らかの沈黙の後、スカジはようやく一言だけ返すことができた。
「……どうして?」
「子供は自然に現れるんじゃなくて作ることが出来るって聞きました」
「……そうね」
「わぁ、やっぱり歌い手さんは知ってたんですね!すごいなぁ」
無邪気な好奇心に満ちた無知なアニタにとって、スカジはまるで賢者のように見えているらしい。
「どうやって作るの?ってみんなに聞いたんですけど、誰も教えてくれなくて……」
「そう……」
それはそうだろう。
ただでさえ難しい性教育、学校の一つも無いこの街ではなおさらだ。
これまで見てきた住人の様子からすれば会話自体成立していない可能性も高いが……。
「歌い手さんは赤ちゃん作った事ありますか?」
「……ないわ」
「そうですか……でも作り方は知ってるんれすよね?教えてください!」
「えっと……」
これまで経験したことの無い艱難にスカジは困惑していた。
この状況の何もかもが想定外だ。そもそもスカジは『こういうこと』に非常に疎い。
どうにかはぐらかしてこの窮地から脱しなければ……。
「……二人いないと無理なのよ。残念だけど」
「二人……いるじゃないですかここに」
「好きな人同士じゃないとダメなのよ」
「私は歌い手さんのこと好きです」
「……」
「あ、でも歌い手さんは違うかもしれないですよね……ごめんなさい」
「いえ……………………別に私も、嫌いではないわ」
「じゃあ……!」
「無理よ。男性と女性の組み合わせじゃないと子供は作れないの」
「……?どういうことですか?」
「……いいわ、教えてあげる」
観念したスカジは真正面から教育することにした。包み隠さず誠実に、全て説明した。それが口下手な自分にできる最善と判断しての事だった。
「以上よ……理解出来た?」
普段使わない神経を使ったせいか酷く憔悴した。でもこれで引き下がってくれるだろう……。
「はい……でもそれならやっぱり、私とスカジさんで子供作れますよ」
「え?」
「さっき言ってたのって、これですよね?」
アニタがスカートをたくし上げると、そこには未成熟ながらも立派なアニタの分身が聳えていた。
そう、故郷を離れて久しいスカジはすっかり忘れてしまっていたのである。
エーギルには、稀に男性と女性両方の特質を備えた個体が存在するということを!
「お話を聞いていたらなんだかとっても心臓がドキドキしてしまって……これって恐怖ですか?興奮ですか?興奮ですよね?」
「ちょっと、待ちなさい……」
「歌い手さん……私、歌い手さんと赤ちゃん作ってみたいれす……家族が、欲しいです」
スカジの腕力を以てすれば抵抗することなどそれこそ赤子の手を捻るよりも容易い。
「ダメ、ですか……?」
「…………ダメよ。ダメだけど……」
しかし結局、そうはしなかった。スカジはアニタを受け入れた。
スカジは自覚していた。グラニの時もそうだった。
ああ、つまるところ自分は……こういう『押しの強い子』にとことん弱いのだと。

その後教会を破壊しロドスへ帰還したスカジに妊娠が発覚したのですぐにアニタを迎えに行き、二人は結婚。末永く幸せに暮らしたという。

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