【元欅坂46】長濱ねる応援スレ★62【ねるちゃん】

昨日のラジオのキーワードは「スマートシティ」。
「街全体で連携させ、一つの大きなシステムをつくり上げる」という長濱の説明がわかりやすい。
ICTの技術をそこに活用するという補足を加え、その問題点は監視カメラを数多く設置し、プライバシー侵害が起ることだとMCは言う。
小田急電車での無差別殺人未遂事件で、全ての電車内に監視カメラを設置しようとする動きもあり、深刻な問題である。
『大衆の反逆』の「最大の危険物。国家」の章でオルテガは、「社会秩序の権力は強制すべき秩序を自分で定め、しかもそれは国家にとって都合のいいものになる」と書いている。
さらに、「（安全の）便宜を受けるために高い代償を払っている。家宅捜索をされたり、スパイされたりするより、三年か四年ごとにラトグリフ街で半ダースの人間が殺されるのを見るのがましである」というジョン・ウィリアム・ウォードの言葉を引用している。
安全性ならまだしも、利便性をプライバシーよりも優先させるというのは真っ当な人には受け入れられない。
特に、創価学会と政教一体の公明党が政権与党に居座っている上に、いまだに統一教会に解散請求すら出せない現状で、至るところに監視カメラを設置するというのはナントカに刃物に等しい。

「過去を知らない人は未来も知ることはできない」とMCは言う。
同じようなことは、『危機の本質』などの中でオルテガも、オルテガから影響を受けた西部邁も書いている。
未来を見ようとすると必ず過去に跳ね返され、未来の諸問題を解決するヒントは過去の中に隠されている。
サーカスの綱渡りが持っている長い棒のように、先の見えない社会を生き抜くためには、伝統や慣習といったものでバランスをうまく取っていかなければならないというようにも述べている。

そして、ICTなどを活用することで、見捨てられてきた過去の遺物を再利用しやすくなったとMCは一歩進める。
当ラジオで以前に長濱が言っていた浮きこぼれ（ギフテッド）の問題点は。同じ内容を誰に対しも一律に受けさせるということにある。
知的好奇心を誰に対しても一律に満たしてあげさせるというのをしてあげるのが正しい教育である。
それを解決する一案として寺子屋形式があるが、昔のままだと非効率となる部分もあるが、タブレットなどを使えば改善できる。

ブックシェアリングでは、エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』が紹介された。
ファシズムは民主主義から発生するというのは今では常識だが、かつては逆説であり、それを知らしめた書としては、オルテガ『大衆の反逆』とともに名高い。
ドイツ生まれのフロムはナチズムに、スペイン生まれのオルテガはフランコ政権を目の当たりにしていて、ファシズムの危険性を切実に論じている。
心理学を社会学に援用しているところにフロムの特徴があり、後に社会心理学という分野があることも知ったが、高校生のときに読んだときには新鮮だった。
読みにくいと思ったなら、第七章「自由とデモクラシー」から読み始めるのがいいかもしれない。
おそらくはフロムが初めて提起した視点が、その後、フォーマットとなり、今ではわりと陳腐となってしまっているので、目から鱗が落ちるということはないのだが、その分、すいすいと読める。
第三章には、キリスト教の原理主義的傾向が強いプロテスタントが、時としてサディズムや破壊性になぜ転じるのかが説明されていて、イングマール・ベルイマン監督『ファニーとアレクサンデル』で、幼い子供への牧師の凄まじい虐待の背景を理解するのに役に立った。

今年フジテレビに入社して、TIFでは長濱の部下という設定となっている元欅坂の原田葵がフロム『愛するということ』を愛読書として挙げていた。
欅坂に入ったころには葵は中学生だったが、進学校に通っていて、高校の内容の数学をブログにアップしたときは話題になり、5CHでも書き込みがあり、その流れで数学の問題を出題するのもあった。
『自由からの逃走』の中の愛についての一文を明記して、「対象領域を四人として、『誰もが誰かを愛している』は何通りあるか？」という出題をしたら、その日のブログに「L・O・V・E」と叫んでいる画像を葵がアップした。
『愛するということ』を愛読書としていると書いたのはさらにその後のことである。
偶然だとは思うが、葵に影響を与えられたとしたら嬉しい。
元々能力の高いコだから、フジテレビに合格しても不思議はないが、フロムを読むことでスペックをアップさせたなら、さらにフロムを読んでいることがアピールポイントとなって、合格を後押ししてくれたのならひとしお嬉しく思う。