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∴ξ∵ξ∴steam...part2230∵ξ∴ξ∵【救助要請】

866 :Anonymous:2018/07/09(月) 18:30:08.23 .net
昔々あるところに、佐渡村という小さな村がありました
小さいながらも平和な村でありましたが、近ごろ村の裏山に「ここたぬき」というばけものが住み着いてしまい山に入ることもできず
夜には「っっっっっっけい」「ぽいぽおおおおおい」とそれは身の毛もよだつような声で叫ぶのです
村人はほとほと困り果てしくしく泣いておりました

そこに通りかかった旅の侍、たいへん驚きこれはどういうことだと尋ねたところ
「あゝこれが泣かずにいられますかお侍さん、私の息子は今夜ここたぬきに喰われてしまうのです」
「してここたぬきとは?」
「山に住み着いた狸のばけものでございます、月が満ちる頃になると若い男のいけにえを差し出せと恐ろしい声さけぶのです」

なるほどそういうことか、先程から聞こえる声に合点がいった侍はさらに詳しい話を聞くことにしました

「それは何処をねぐらにしておる」
「山は深いところ、大貫神社の境内をねぐらにしております」

ねぐらが分かればこちらのもの、狸の化け物など侍が恐れるものか
侍はにやりと笑い山を見据えながら

「あいわかった、若人を食らうなど迷惑千万誠に不愉快、必ずやここたぬきを成敗してみせよう」

と言い残すと火車のような速さで山の中に消えていきました
それからしばらくした日の丑三つ時
“ずん”、という山中に響き渡る大きな音と
あいいいいいいいいいいいいいいい、というおぞましい鳴き声のようなものが聞こえてきました
「あゝお侍さんもあれに喰われてしまったのだろう、あわれな事だ」
村人がそうしてため息をついたその時、侍が意気揚々と帰ってまいりました
「お侍さん、よくぞご無事で」
「ここたぬきは成敗した、もう安心してよい」
「ありがたやありがたや」
「またここたぬきが暴れ出した時にはこの刀を見せればよい、たちまち借りてきた猫のように大人しくなるであろう」
そう言うと侍は一振りの大変立派な刀を置いていきました

それからはここたぬきが暴れてもその刀を振るえば見事におさまり
村人は侍の行いを忘れぬようにと刀に彼の名前を借りて”力丸”と名付け、いつまでもいつまでも大事にしたそうです

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