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レイドリーダーの朝は早い

777 :ピカチュウ:2017/08/19(土) 00:39:09.64 ID:vy5A1hCY0.net
それは、彼がレイドリーダーになってからまだ間もない、ある日の夕方の事だった。

毎日巡回をしている範囲のジムを全て自色にしたが、その日は珍しく少し時間が余った。
『たまには少し外まで足を伸ばしてみるか…』
そう呟くと、彼は郊外に佇むジムへと向かった。
そこではちょうどカイリキーのレイドが行われているところだった。
『他色で残りあと5分か…レイドが終わるまで少し待ってから潰して帰ろう。』
そう思いふと辺りを見ると、小学生ぐらいの男の子が母親のものと思われるスマホでバトルをしているようだった。

『いい加減にしなさい!夕飯の支度もあるし、早く帰るわよ。そんなんだったらもうスマホ貸さないからね!』
苛立ちを隠さずに子供を急かす。
『お願い、もうちょっとだけ!カイリキーは持ってないし強いんだよ。ここには滅多に出てこないし、しかもちょうど自分のチームの色なんだよ…』
どうやら孤軍奮闘しているようだ。
『くっそー、やっぱりレベルが低いし1人じゃ無理なのかなぁ。これが最後だから!』
そう言って操作する指の動きが止まった。どうやら最後の待機時間に入ったらしい。
その様子を見て彼は物陰に隠れると、バトルボタンを押した。
『えっ!?誰か来た!レベル40!!すげーーっ!!』
少年の顔に驚きとともに笑顔が宿る。
『強えーー!どんどん減っていく!』
難なく勝利すると、しばらくしてから
『やったーー!初めてのカイリキー!』という興奮に満ちた歓声が響き渡り、間髪を入れず『早く帰るわよ!』と母親。
満面の笑みで、そしてどこかしら誇らしげな表情で母親と帰る様子を見届けると、レイドバトルが終了したジムには手をつけずに彼はその場を後にした。

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