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レイドリーダーの朝は早い
- 845 :ピカチュウ:2017/08/21(月) 13:46:33.29 ID:sVGwbglx0.net
- 台風の中、
たった一人で立っている男性にレポーターが近づいた
「あなた何やってるんですか!危険ですよ!」
『少し黙って待ってて…2わざの回避が鈍るから』
5分後、再び話しかけようやく話を聞くことができたようだ。
「一体こんな時になにしてるんですか?」
『伝説のポケモンの捕獲で…もし』
「はぁ!?正気ですか!?こんな台風の日に危ないじゃないですか!?」
話を聞くとは言ったものの、むしろ苦言を呈したいだけの様子のリポーターに
男は真剣に答えることを放棄し、ふぅと息を吐くと答えた
『雷と風と雨
伝説を相手にするのにはおあつらえ向きですよ…
あなた方こそこんな日にわざわざヘルメット被って出歩くなんて滑稽だ』
「なっ…!」
『ぼくはやらされてるんじゃない、
今ここでやりたいからやっているんだ』
その後レポーターは心底バカにした顔でいくつかの質問をして中継を終えたが、彼の行動の真意を知ることはなかった。
―彼は、レイドリーダーと呼ばれている―。
(もしもこんな日に いや
こんな日にしか伝説に挑めない者がいたならば…)そう考えてしまったとき
彼を突き動かしたのは使命感と
レイドリーダーとしての誇りだった。
結局、誰も来ずに時間を終えて帰路につくレイドリーダー。
ずぶ濡れになったが使命を果たした男の足取りは軽かった。
「あの…kairo○836さん…?」
突然アバターネームを呼ばれ振り返るとそこには傘を持った小学生がいた。
「中継を見たみたいで…あの…安物ですが…ホラ」
付き添いの母親が促すと、小学生は恥ずかしそうに傘を渡してきた。
「いつもたすけてくれて、ありがとう」
小さな合羽を着て手を振る小学生に背を向けると、雨雲はビニール傘の向こうで光を包んでか白さを増していた。
(台風は行って、虹が出るかな…)
レイドリーダーが宝物を握りしめると、その瞳にも力が宿っていた。
“レイドリーダーは、弱きを助けなければならない。”
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