ポケ活中に体験したオカルト話

ピカチュウ

これはポケGO配信直後の話です。

当時、私は浮浪者でした。
東京の会社で出世争いに敗れて、危うく殺されかけ、
追放されたあと近畿地方の、とある山中の神社に住まうようになりました。
ふもとに下りては、何でも屋と称して里の人の手伝いをし、手間賃をいただいて食いつなぐ身の上でした。

その生活の中で一番恐ろしかったのは、人間です。
「何でも屋です。何が御用はございませんか」といっただけで、いきなり猟銃を向けられた事も御座います。
「一度弾を込めたまま、人間に向けてみたかったんだ。ほらよ」
と、口止め料まがいの大金（恐怖に慄いた代金は一万円でした）を渡されましたね。
付近でポケGO活動をしている暴走族上がりのグループに、「お前に人権はねえ」と追い回され、ジムでボコボコにされただけではなく棒で叩かれたこともございます。
その時は、よく手伝いにいくかわりに野菜を分けていただいてた農家の方に救われ、病院にかかる代金までもっていただきました。
その農家の方からは、さまざまな恩を受けました。
「手に職はあったほうがいい。うちじゃ雇ってやれないから、せめて作物を育ててみて」
そのように仰り、色々な苗や種を分けていただきました。
荒れた境内の砂利を少しよけて、硬い土をたがやし、近くの川からへたくそな水路をひいて引き入れ、
ちょっとした農園をつくるに至りました。

ある時、何度かに分けて訪れた茶髪の廃墟探検の人たちに、ジムを破壊され
この農園は大量の除草剤を撒かれて、全滅させられました。
私はこういう団体が来る度、暴走族上がりのグループの一件を思い出して隠れるようにしていたのですが、
このときほど、角材でももって殺してやりたいと思った事は御座いません。
そこでの生活は、どなたかから恩を受け、それをどなたかに奪われることの繰り返しでした。